最近の日記

9月7日(日)の『ルチア』

昨年、サロンオペラで好評を博した『ランメルモールのルチア』が、9月に兵庫県立芸術文化センターでご覧になれます。
15:00(開場14:30)から小ホールで。
入場料: \3,000
主要メンバーはサロンオペラと同じで、田村香絵子、油井宏隆、瀬田雅巳。
サロンオペラでの公演を見逃した方は必見ですよ!

公演カレンダー9月分をご覧下さい。
http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/center/top.html

チケット申し込み、お問い合わせは、tel&fax 072-772-6475(田村)

経過報告

ご心配おかけし、申し訳なく思っています。
4月23日に入院、5月1日に手術を受け、8日に退院しました。
納得できる医師と医療体制を求めて転院したため、予定より約1ヶ月遅れになりました。
術後経過は今のところ順調ですが、来週からは術後療法に入ります。
かなり厳しい治療が来年末くらいまでは続きそうです。
早く復帰してサロンオペラも再開したかったのですが、しばらくは難しいようです。
2010年には無事に社会復帰できることを祈って、とにかく治療に専念します。

この春からは友人達の演奏会を聴きに行けなかったことが残念でしたが、みんな頑張っている様子を聞き、心強く思っています。
ますますのご活躍を祈っています。

治療のためしばらく休場します。

実は、今月初めに乳癌を宣告され、来月くらいには手術になりそうです。
特に自覚症状もないので検査の合間にちょこちょこ出かけていましたが、先日の岡崎さんのリサイタルを最後にしばらく活動を休止することにします。
手術後はかなり長期の治療、療養が必要になりそうです。
術後の治療がけっこうきついので、少なくとも年内のオペラやコンサートは見に行くのも上演するのも難しいと思います。
予定していたイタリア旅行もキャンセルすることになり、とても残念です。
オペラ鑑賞でお会いしていた方たちやサロンオペラを楽しみにして下さっていた方たちには申し訳ないですが、しばらくの隠遁生活をお許し下さい。

また元気になってオペラ再開の時は、よろしく〜!
 

岡崎他加子ソプラノ・リサイタル

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昨夜は西宮のプレラホールで、岡崎他加子さんのリサイタルを聴いてきました。
その歌唱は、また一皮剥けたかなと思えるもので、本当に彼女の進歩向上はどこまで行くのかおそろしいほどです。
しかも、歌だけでなく、ステージマナーも優雅になってきて、歌によって色づけられる表情、しぐさも自然で表現力に富んだものになっていました。
今回はワグナー初お目見えで、まだ勉強中といいながら、堂々たる歌唱に唖然。
これから、イタリア物にとどまらない幅の広い活躍が期待できそうです。
でも、イタリア物が好きな私は、やはり『仮面舞踏会』のアリアに最も強く惹きつけられました。
リストの大作歌曲ははじめて聴く曲だったけど、その深い表現と声のコントロールに驚嘆。
弱声がとてもうまくなってきています。

そして、岡崎さんのご主人フランコさんは、伴奏に独奏にと、その素晴らしいピアノでこの公演を支えていらっしゃいました。
ちなみに、彼はイタリア人なのに大のワグナー好き。
さすがと言えるピアノソロを聴かせてくれました。

ほぼ満席のお客様で、たくさんの方たちが岡崎さんの新たなファンに加わったのではないかと思います。
終演後、熱を帯びた感嘆の声が、ホワイエのあちこちで聞かれた一夜でした。

<曲目>

★第一部
ジョルダーノ:"いとしい人よ"
スカルカッティ:"すみれ"
ヘンデル:"私を泣かせてください"
ベッリーニ:"激しい希求"
ベッリーニ:"お願い、私の偶像よ"
ベッリーニ:"私を喜ばせてください"
リスト:ペトラルカの詩による3つのソネット
 "心に平安を見つけられず"
 "讃えよう、あの日を"
 "私は地上で見た"

★第2部
ベッリーニ:『ノルマ』より “浄き女神”
プッチーニ:『トスカ』より “歌に生き、愛に生き”
ヴェルディ:『仮面舞踏会』より "ここがあのおそろしい場所"
ワグナー:『ローエングリン』より "エルザの大聖堂への行進"(ピアノ独奏)
ワグナー:『ローエングリン』より "エルザの夢"
ワグナー:『タンホイザー』より 『崇高なる殿堂よ』

(アンコール曲)
プッチーニ:『ジャンニ・スキッキ』より "私のお父さん"
越谷達之助:"初恋"

写真は、終演後のロビーでの岡崎他加子さんとご夫君のピアニストフランコ・マッサーロさん。

ブルーレイの勝利

今日の朝刊に、東芝がHD-DVDから撤退検討とありました。
すでにシェアが落ちていく一方だったので、やはり勝負あったかの感がします。
しかし、かつてのビデオではVHSに負けたベータの購入者が互換性もないまま取り残された例が頭をよぎります。
次世代DVDの世界でも、やはりHD-DVDの利用者は不利益をこうむるのではないかしら。
一時はHD-DVDとブルーレイの両者歩み寄りかとも思える展開もあったのですが、難しかったのでしょうか。
うちはブルーレイのソニーで揃えたので心配することもないのですが、なんだか気になります。
この勝負、仕様や販売戦略などいろいろな要因が作用したのでしょうが、私から見ると、命名の良し悪しも大きく響いたのではないかと思えます。
お店に行って、HD-DVD下さいって言うより、ブルーレイくださいって言う方が言いやすいもの。
こんな風に思うのって、アルファベットに弱い私だけかしら…?

訃報

昨日、星さんが亡くなられました。
奥様や妹さんとレストランで食事中の急な発作で、病院に運ばれたときにはもうダメだったそうです。
すぐに友人たちやヨーロッパ在住の親戚が駆けつけて、ご遺族を助けてくださっているそうです。
星さんは、もう1年以上前から遠からずこうなることを予測しておられたようで、体調がすぐれない中でも、見事な身辺整理をされていたとか。
奥様から、オペラティールームでお世話になった方たちにお礼を申し上げます、とのことです。

星さんのオペラティールームへの貢献は計り知れないものがありました。
あたたかい人柄と広範な知識で私たちを楽しませてくださった方で、むしろ、私の方が星さんにお礼を言わなくてはいけない立場です。
なんだか、大きな支えを失ったような気がしています。
このサイトにも、いくつか記事を残してくださっていますので、「自習室」や「オペラの謎」など読んで、彼を偲んでください。

スリオティスの顔

NHKで放送されたコソットの『デビュー50周年ガラコンサート』の録画をつまみ食いしていました。
イタオペの『ノルマ』の映像が流れ、NHKに持ち込まれた映像だと言っていましたが、これはとても貴重な物だと思います。
NHK側にはこの公演の元映像は残っていないようなので。

コンサートの方はあまり興味も持てなかったのですが、この『ノルマ』は面白かったです。
ノルマ役のスリオティスとの二重唱は部分では、スリオティスの表情がいかにも嫌そうで暗いのです。
最前列で横断幕掲げてコソットを応援していた女性軍がいたとかで、観客の注目もコソットに集まっていたようです。
タイトルロールのノルマよりアダルジーザの方に注目されたのでは、そりゃぁスリオティスもさぞ面白くなかったことでしょう。
なんだか、舞台の上の火花が見えるような感じです。
しかし、これはぜひ全編通して見てみたいものですね。

映画 『母べえ』

昨日、久しぶりに映画館で映画を見てきました。
シネコン型の映画館でしたが、音響がいまいちだったのが気になりました。
でも、うちのAVルームの音響に慣れてしまっただけかもしれませんが。

さて、『母べえ』。
公式HPは、http://www.kaabee.jp/
山田洋次監督、吉永小百合、坂東三津五郎、浅野忠信、檀れい等の実力派で、地味だけどとても見ごたえがありました。
野上照代さんの自伝的ドキュメンタリーが原作。

学者の父親が治安維持法で逮捕投獄されるところから、この家族の物語は始まります。
一種の反戦映画という捉え方も可能ですが、大上段に構えることなく、当時の世相の中でごく普通の人々を描いています。
肩肘張って声高に訴えることはしないで、人間の存在からにじみ出るような暖かなユーモアも交え、むしろ淡々と話が進んでいきます。
家族の絆、友情、周辺人物のほのかな恋心、そして、何より母べえこと野上佳代の静かであたたかいエネルギー。
支那事変(日中戦争)から大戦の終わり頃までを主に描いた作品ですが、その目線はしっかり庶民の生活の上に据えられています。
この時代の戦場を描いた物や、大きく政治の流れを描いた物、反戦思想を中心にその闘いを描いた物などはいくつもありますが、この視線に徹した作品は珍しいです。

普通の人々の目から見た戦争の諸相を語ることこそ、実は最も強力な反戦の訴えではないかと思います。
戦争に足を踏み入れていく過程では様々な正当化が行われ、一般大衆が気づいたときには既にその流れの中に呑み込まれてしまって、思想言論の統制が始まっているのです。
今の社会で私が怖ろしいと思うのは、自分の意に染まない意見に対してしばしば侮蔑的に「アカ」という言葉が使われることです。
そういう人がマルクスの著作を読んでいるかどうか、非常に疑わしい場合が多いですが。
そして、現代でも対テロを歌って提出された法律、法改正が既にいくつか成立しています。
共謀罪を折り込んだ、現代版治安維持法ではないかと、私は心配しているのですが。

今度は「マリア・カラス〜最後の愛」を見に行きたいなと思っています。
今度のカラス物のヒロインも、カラスにとてもよく似ているそうです。
上映館が少ないのが残念ですが、やはりオペラ歌手がテーマだけにマイナーだと思われてるのかなぁ。

上映会兼遅めの新年会

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昨日はオペラファンの友人たちと、うちのAVルームでオペラの映像を見て遊び、お鍋を囲んでワイワイ楽しんでいました。
昨年秋から何かと忙しく、あまりオペラを楽しむ余裕もなかったので、久しぶりに心置きなく楽しい時間が過ごせました。

上映したのはベーム指揮の『ナクソス島のアリアドネ』。
グルベローヴァのツェルビネッタの名演で有名な作品ですが、日本語字幕のついたDVDはないので、古いLDです。
1977〜78年に作られた映画仕様の映像なので、実は口の動きと音声がぴったり合っていない部分もあるのですが、そう思って見ない限りなかなかわからない程度です。
何よりも、グルベローヴァの歌唱が素晴らしくて、一度これを聴いてしまったら、他では満足できなくなるという不幸が待っています。
とはいえ、'80年には日本でも同じプロが上演されていて、それはこの映像よりも更に素晴らしかったという人もいます。
私は'80年のは見逃しましたが、2000年に神奈川県民ホールで同じ演出でグルベローヴァのツェルビネッタを聴くことができました。
20数年経った時点でこれだけ歌えるのかと、その時もすごいと思いました。
そのグルベローヴァ最盛期の映像ですから、これはぜひDVDにして広く皆に鑑賞して欲しいものだと思います。

食事の後にはデル・モナコの『道化師』から「衣装を着けろ」やシルヴィオ・ザノンの同「プロローグ」やリゴレットなども少し見て頂きました。
私のお気に入りばかり押し付けて、洗脳しちゃったかな。

写真は、食前酒として出したブランデー漬けの梅酒と、参会者の一人からいただいたお庭のレモン。
梅ブランデーは自家製の5年物。
レモンはとても香り高くて、ウィーンのお茶にとてもよく合いました。

さて、今日は大阪は知事選の投票日で、私たちも午後から投票所に出かけました。
雪がちらつく寒さでしたが、無事に投票を済ませてきました。
しかし、今回の選挙、少し前に橋本候補へのネガティブキャンペーンのチラシが折り込みチラシで入り、ちょっと興ざめの感もありました。
結果はタレントとしての知名度で逃げ切ったらしい橋本氏の勝利でしたが、ま、これから知事としての動きに注意して見ていきたいと思っています。

イシハラホールも…

どこの音楽ホールも経営が難しいようですが、大阪のイシハラホールも閉館のニュースが流れています。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200801170115.html
どうも、フェロシルトの不法投棄問題で石原産業自体がホール運営どころの騒ぎではなくなったらしいです。
来年からはフェスティバルホールも建て替えだし、イシハラホールもなくなるということで、大阪はさびしい状況ですね。

そういえば、梅田劇場も創設当初オペラも出来るというふれこみだったのですが、演劇やミュージカルばかり。
あ、『トゥーランドット』があると思ったら、プッチーニのオペラではなく「祝祭音楽劇」だそうです。
ミュージカル風のものなのかしら。

今、東京に来ていてオペラがいっぱいあるのに、母の世話で見に行く時間がなかなか難しいのが残念です。
でも、もし時間が出来たら新国のバーヨの『ラ・ボエーム』は見に行きたいなぁ〜
しかし、この寒さには参ってます。

切子の撮影

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14日に私の江戸切子のコレクションをプロのカメラマンに撮影してもらいました。
ここまで集めてしまうと何かの形で残しておきたくなってしまい、写真集を出す予定なのです。
今後、自分で撮影する時の参考になるかと思って、よくよく観察していたのですが、機材も集中力も桁違いで驚きました。
カメラマンは、やはり光を反射するガラス製品の撮影は非常に難しいと言っていました。
間接照明にするために、白い箱状の物に入れて外側からライトを当てて撮影するのが、なるほど〜!
丸々1日かかって、百数十点の切子を撮影してもらいました。
これで、万一地震でみんな壊れてしまっても、データがちゃんと残るので、ちょっと安心です。
折しも明日は阪神大震災からちょうど13年。
決して他人事ではありません。

明日は、母の介護のために上京します。
そういえば、東京もいつ地震が来るかわからないそうですね。
気になるところです。

お正月休みも終わり

今年のお正月は琵琶湖畔のリゾートホテルで迎え、実にのんびりと過ごしていました。
往き帰りとも渋滞にも会わず、家から45分で着いたのは驚きでした。
こんなに近いのなら、もっと琵琶湖ホールに通わなくちゃ。

小雪も舞った年末年始、ホテルに閉じこもって何をしてたかというと、ホテルのフィットネスクラブでプールやジムを楽しみ、お部屋で映画のDVDを見る毎日でした。
私は徹底したカナズチなので、プールと言ってもアクアビクスや水中ウォーキングくらいですが、やはりジムで汗を流すよりずっと多くのカロリー消費になるのでうれしいです。
おいしいお料理をたくさん食べてしまったので、少しは身体を動かさないとますます太ってしまいます。
さすがにホテルのまだ新しいフィットネスクラブは設備も管理も行き届いていて、気持ちよかったです。
運動不足に悩んでいた主人も、初めてのフィットネスですっかりはまってしまいました。
もっとも、主人は機械好きなので、ジムのマシンに熱中してましたけど。
お正月休みが明けたら、家の近くのフィットネスクラブをいろいろ見学してみようと言い出しました。シメシメ。

映画は、「華麗なるギャッツビー」、「ミュンヘン」、「忍ぶ川」を見ました。
ポータブルのDVD再生機を持ち込んで、テレビに接続しての鑑賞です。
ホテルにリクエストすればDVD機器を借りられるらしいのですが、有料だし、DVD-RAMとの相性も心配だったので。
私たちはディスクの保存性を考えて、録画もダビングもほとんどRAMなのです。
帰宅後お休みの残りで、「アメリ」も鑑賞。
とても魅力的なフランス映画でした。
でも、まだまだ見てないDVDが山積みの状態です。
オペラも映画も、老後の楽しみに取っておくと、見ないまま死んじゃうかもしれないと不安になってきました。(笑)

明けましておめでとうございます。

年末からホテルでのうのうと過ごしています。
あまりにも寒いので、初詣なんてとんでもないと、ホテル内でフィットネスをやったり持ってきたDVDを見たりして、天国のような日々です。
DVDは映画のみで、昨日は『華麗なるギャッツビー』を見ていました。
ロバート・レッドフォードの演技が浅くて艶消しなのですが、でも20年代ファッションを堪能していました。
あの頃が、一番女がきれいだったんじゃないかと思います。

そのあと、教育テレビでコンサートやオペラ、バレエのハイライト集を見てたのだけど、う〜ん、NHKのお好みがわかっちゃったわ。
コソットの声のコントロールのなさに唖然とし、メラニー・ホリデーはヘアースタイルでどれほど美人っぽく見えるかわかり、ドレスデンの『ばら』の編集画面はマルシャリンが出てこない2幕からだけ、オペラの森の『タンホイザー』は画家のタンホイザーという演出にびっくり…etc.
バレエはよくわからないのですが、男性ダンサーのジャンプ力に驚きました。

さぁ、今日はこれからジムに行って、夕食はお会席、夜はまた何か映画を見ようと思っています。
食べてゴロゴロしてるとあっという間に脂肪がついてしまうので、がんばらなきゃ〜
ライターで火をつけて脂肪を燃やせたらいいのに、なんて言いながらおっきなマシンと格闘です。
本当はアクアビクスやりたかったんだけど、プールが地下で、長い階段を降りなきゃいけないので諦めました。

昨年はいろいろなことがありましたが、私にとっては最もやりたかった「サロンオペラ」を始められたことが、一番大きな収穫でした。
愛犬ララちゃんの介護と見送り、母の2度にわたる手術と、辛いこと、心配なこともいろいろありましたが、いずれも私が全力を尽くせたことは周りのご理解ご助力のたまものだったと思います。
よき友人たちを持てた幸せを噛み締めています。

元旦には今年の抱負みたいなことを書くものだろうけど、明日のこともわからないのが人の常。
今年もやっぱりなるようになっていくだろうと、無責任な口実で逃げています。
でも、元気で美しいものをたっぷり楽しめたらいいな。
サロンオペラorコンサートは4月か5月くらいから再開する予定ですので、よろしくお願いいたします。
またまた今年も、よろしくお付き合いくださいませ〜

『ヘンゼルとグレーテル』@兵庫県立芸術文化センター

昨日のこのオペラが、今年最後の私のオペラ鑑賞でしたが、実は実演に接するのは初めての演目でした。
クリスマスの頃によく上演されるオペラですね。
いつもこの時期にはクリスマスパーティーや大掃除に追われて、なかなかオペラに出かける余裕がないのですが、今年はゆっくりオペラを楽しめてうれしかったです。

まだ新しい芸文センター(県芸と言う人もいますが)の大ホールの会場には、ちょっとおすましした子供たちも多く見かけられました。
原作がメルヘンでしかも日本語上演ですから、子供連れで来られた方が半数以上だったような感じです。
子供たちも小さな紳士淑女といった風情で、ざわざわ騒ぐこともなく最後までおとなしく聴いていました。
演出もうまく雰囲気が出ていてバレエもあり、最後は大スペクタクルも用意され、と子供でも飽きない面白さ。
この劇場の音楽監督で指揮者の佐渡裕さんは、劇場が出来上がる前から毎年暮れにこのオペラを上演してこられました。
こうして若い世代のオペラファンを開拓していく活動は、評価すべきだと思います。

この日の公演の父親ペーター役には、オペラティールームでもおなじみのバリトン歌手、油井宏隆さんが出演され、深く輝かしい声と安定感で際立った存在感を示していました。
ブラヴォや拍手も一番多かったような気がします。
お酒好きの父親の役ですが、舞台上で飲んでるお酒は本物ではないかと疑うほどの演技力も頼もしいです。
ま、タディなんかは舞台でお酒を飲むのが目当てでファルスタッフには喜んで出演したそうですから、ひょっとしたら油井さんも本物のお酒飲んでたかも…。(^^;;

オペラの『ヘンゼルとグレーテル』は原作の童話とは少し違うところもあります。
考えてみたら、童話って意外と残酷な面もあるのですよね。
オペラでは、ヘンゼルとグレーテルが母親に捨てられるのではなく、森にイチゴを採りに行って来いと言われて出かけ迷子になるという設定で、両親は子供たちを探し回っています。
どうも、童話を読ませるよりオペラのほうが子供向けには安心かもしれません。
そのうち私の孫たちも連れて行ってやろうかな〜

終演後、仲間たちと楽屋へおしかけ、さすがに新劇場だけあって立派な楽屋に驚いたり、バレエ団の子供たちのカツラが廊下に並んでるのを見てちゃんと名前が書いてあるのに感心したりと、楽しんできました。
その後、皆で料亭に繰り出して、飲んだり食べたり遅くまで忘年会で盛り上がった1日でした。

フェルメール6点来日!

昨日発表されたニュースでは、来年夏にフェルメールの作品が6点も来るそうです。
8月2日から12月14日まで、東京都美術館での「フェルメール展」。
2点しかない風景画のひとつ「小路」や、初期の作品の物語画「ディアナとニンフたち」、最大のサイズを誇る「マルタとマリアの家のキリスト」、室内画の傑作「ワイングラスを持つ娘」、「リュートを調弦する女」や「画家のアトリエ(絵画芸術)」も。
日本初公開の作品も多く、制作年代も初期から後期までと幅広いです。
同時代のデルフト派の画家たちの作品も一緒に展示されるそうです。
来年の楽しみが、またひとつ増えました。
 

『ウィンザーの陽気な女房たち』

今日は西宮の芸文センター中ホールで、またオペラを見てきました。
今日の『ウィンザーの陽気な女房たち』はアマチュアオペラですが、とても楽しい公演でした。
阪神大震災の直後から、被災者が少しでも元気を取り戻せるようにと始められたこの企画も、すでに12回を数えています。
手作りとは思えない衣装や小道具も見ものですし、歌も玄人はだしの人がけっこういてなかなかのものですが、何よりこのオペラ公演の良さは「楽しい」こと。
見る人も演ずる人も、オペラを好きで好きでたまらない人ばかりです。
演目も必ずハッピーエンドになるものと決まっていて、演出もとにかく楽しく、時に爆笑を誘うものさえあります。
日本語上演ですから、目が悪くて字幕が読みにくい人でも、漢字の読めないお子様でも楽しめ、オペラに慣れていない人も大丈夫です。
脚本、企画、運営まで一手に引き受けて頑張っておられる岡崎よしこ先生には、まったく頭が下がります。
この3連休、連日オペラでしたが、ドレスデンの公演もすばらしかったけど、この公演はいつまでも続いてほしいものでした。
来年は秋に『フィガロの結婚』を上演の予定だとか。

サロメはなぜヨカナンの首を望んだのか?

昨日は2時にホテルをチェックアウトし、カフェのはしごをして読書三昧で時間をつぶしてからゼンパーオーパーの『サロメ』を見てきました。
美術館もすぐ近くですが歩き回って疲れるのも嫌だし、散歩も寒そうだったので。
しかし、良いお天気の上野で夫婦二人、カフェで読書に熱中してるというのも、なんだかおかしいですね。

今回の『サロメ』、私はとても気に入りました。
サロメというとエロチックとかエキセントリックという感じが強いのですが、ゼンパーオーパーの『サロメ』はそういうものを期待するとがっかりするでしょう。
なにしろ、定番のストリップもなく、脱がされるのはヘロデ王だし、銀のお盆に載ったヨカナンの首なんか出てきません。
ヨカナンはずっと舞台に乗ったままです。

105分の上演中、舞台転換もなく、横長六画形の変形額縁舞台の中央に45度回転させた直方体を据え、その周囲の通路状の傾斜した床の上ですべてが進行します。
そこに描かれるのは、サロメの孤独と打ちのめされた自己。
私はいつも、サロメの激情の変化の必然性に疑問を持ってしまって感情移入できないでいたのですが、この追い詰められていくサロメの姿を見て、初めてサロメの深い絶望に共感を持ちました。

ヘロデ王はなぜヨハネを殺さずに牢に閉じ込めていたのでしょう?
王は救世主待望の世情をローマに知られたくないので王家への非難を公言するヨハネを捕らえたものの、一方ヨハネを殺すとユダヤの民衆の離反が恐ろしいのです。
しかし、ヘロデ王の保身とそして男としての欲望は、完全にサロメに見抜かれています。
また、母へロディアスもサロメを理解してはいません。
ヨカナンの非難への怒りに燃え、サロメを利用するだけ。
そんな中で、ヨカナンは、ヘロデ王と王妃との立法にそむく関係から、その子としてのサロメを穢れた者と非難するのです。
その時のサロメの苦悩は、実に切羽詰った表現で表されていました。
ヨカナンへの怒りよりも、自身の内部へ向かう苦悩、絶望として。
サロメがヨカナンの首を所望する動機は、振られた怒り、腹いせのような激情ではないのです。
もっと深く静かな絶望。
拒絶され打ちのめされたサロメが立ち上がった時、彼女の目はヨカナンを殺せないヘロデ王に向かいます。
怜悧なサロメは、弱い心の王にヨカナンの首を所望するのです。
それが彼女の最後の力だから。
王女をも辱めたヨカナンの言葉の力に対抗するには、もはやそれしか残っていないのです。
しかし、ヨカナンを殺させた後、サロメを待っていたものは更なる孤独でしかなく、せめて死んで言葉を発する力をなくしたヨカナンとふたり閉じこもるかのように白いシーツにくるまってしまいます。

というのが私の解釈ですが、これは一幕の心理劇、いろいろな解釈があると思います。
ただ私はこの『サロメ』でようやくサロメの心理を追うことができたような気がしました。

歌手についてはまだまだ要求したいところもありますが、全体の演出の意図をこれだけ伝えられれば言うべきことはないでしょう。
いつもはストーリーと舞台のエキセントリックな展開に気を取られて気づかなかった音楽の切ないほどの美しさ!
ルイジの指揮は『ばら』とはまた違う一面を見せ、オケはそれに十二分に応えていました。

さぁて、この『サロメ』、男性方の見方を聞いてみたいものです。
うちの亭主はスワロフスキーの双眼鏡を首からかけて見ていましたが、とうとう双眼鏡の出番はないままに終わりました。

ゼンパーオーパーの『ばらの騎士』

『ばらの騎士』は、今回の公演の中で一番好きな演目です。
初めて聴くゼンパーオーパーのオケの響きにまずしびれました。
特に弦が艶やかでよく歌いますし、管のテクニックもすごい。
全体としてのレベルが非常に高いです。
ルイジの指揮は、思っていたよりも動きが大きくて、へぇ〜と思いました。

歌手は、デノケのキャンセルによって、マルシャリンをアンネ・シュヴァンネヴィルムスが歌いました。
最初はちょっと調子が出なかったようですが、だんだんに良くなっていきました。
でも、私としては、彼女の声自体にあまり色がないので、少々不満が残るのですが、でもこれだけ歌えれば充分に立派なものだと思います。
オックス役のクルト・リドルも低音域がちょっと薄いのですが、良く歌い良く動いていました。
オックスの最低音をきれいに響かせて歌える人は意外と少ないのですよね。
残念だったのは、ゾフィーを歌った森麻季で、声の艶、声量ともにいまいちでした。
しかし、ここのアンサンブルはうまいですね〜

ラウフェンベルクの演出はなかなか秀逸なものでした。
初演劇場だった利をとことん生かしたもので、初演舞台の元帥邸を経年変化を付け加えて再現し、そこに50年代風俗の登場人物を乗せます。
女の斜陽と社会の斜陽を重ね合わせて、マルシャリンへの感傷をさらに幅を広げて展開させてるような。
いろいろ仕掛けもある舞台です。
あ、そうそう、ワンちゃんたち、とてもお行儀が良くて感心しました。
カーテンコールでも、ちょこんとおすわりしてて、とってもかわいかったです。
会場では、ファビオ・ルイジのプロマイドはがきが置いてあって、自由に取れるのはうれしかったです。

さて、明日は『サロメ』。
5時半開演なので、ホテルをチェックアウトしてからどうやって時間をつぶすかが問題です。
しかも、またカーテンコールも見ずに新幹線へという慌しいことになりそうです。
主催者側には、もっと上演時間帯を考えてほしいです。

ゼンパーオーパー

次の週末はゼンパーオーパーの来日公演を見に上京します。
この劇場、東西ドイツ統一後もドレスデン国立歌劇場と呼ばれているのですね。
本当は今ではザクセン州立歌劇場と言うべきではないかとも思うのですが、
ドレスデン国立の名前が広く浸透してしまっているから仕方ないのかも。
私はちょっと抵抗して、愛称のゼンパーオーパーの方で呼んでいます。

先月、公式ブログで指揮者変更のお知らせがあった時(http://japanarts.cocolog-nifty.com/dresden/2007/10/post_4fa5.html
しめしめと思ったのは、『タンホイザー』パスして『ばら』と『サロメ』に絞ったから。
やっぱり『ばら』はルイジで聴きたいと思っていました。
ルイジさんは23〜26日までは連日の出演なので大変だろうとは思いますが。
でも、マルシャリンを歌う予定だったアンゲラ・デノケがインフルエンザで来日
できずキャンセルだそうで、これは残念です。
アンネ・シュヴァンネヴィルムスという歌手が代役だそうです。
この人は去年の地元での『ばら』で同役を歌っているのですが、あまりぱっと
しない評が多くて心配です。
いろいろキャストの変更はあるものの、何よりもいぶし銀と言われるゼンパー
オーパーのオケが私は楽しみです。

ところで、『ばらの騎士』では舞台にワンちゃんが登場するのだそうで、その
犬の選抜のためにオーディションも行われたとか。
1幕と3幕では、そのパグ犬にも目がいってしまいそうです。

渋谷・表参道スケッチ

先月下旬、1週間ほど東京に滞在していたのですが、そのほとんどは母の病院の近くに宿を取りました。
渋谷と表参道の間にあるプチホテルですが、これが立地に似合わず意外とリーズナブルな価格で、しかも居心地のよいホテルで感心しました。
冷蔵庫は勝手に好きなように使える方式で、エアコンの反応も良いし、卓上湯沸かし器には加湿機能がついていました。
すぐ隣はコンビニで便利だけど、フロントで1日1本ミネラルウォーターを配ってくれるのもうれしい。
寝衣もボタン付きのロングシャツタイプなので使い勝手が良く、素材も柔らかい。
無駄なチェストやクローゼットは省き、壁のフックに吊り下げるのも考えてあるなぁという感じ。
全体に落ち着いたエレガントな内装で、高速インターネットは無料。
1階のカフェもけっこう充実していて、飲み屋さんばかり多い渋谷ではありがたい存在でした。
アフタヌーンティーは\1,500で飲み物のほか2段のディッシュサービスにケーキ2種のお皿が付きます。(^^)
内装の感じから女性客が多いけど、男性のビジネス客もかなりいました。
何より、従業員の対応がとても感じが良かったです。
ただ、私にとってこのホテルの問題は、渋谷駅に出るのに階段(陸橋)を避けようとすると、かなり遠回りになってしまうことでした。
階段が問題ない人には、お奨めのホテルです。

渋谷の周辺は開発が段階的に進んだ場所のようで、脚の悪い人間にとっては移動が難しいものがあります。
どうしてもエレベーターをつける余地がなかったり、エスカレーターも上りだけだったり。
特にひどいのは地下鉄半蔵門線で、地下3階のホームまで脚で降りなくてはならないのです。
でも、銀座線も表参道まで同じ区間を走っていますので、その先へ行く時は表参道駅で反対側のホームへ着く半蔵門線に乗り換えると楽です。
脚に問題のある方は、ぜひ参考にしてみてください。(って、大阪の人間に教えられるまでもないと言われそうですが)

表参道という街は不思議な街です。
表参道から原宿へ続くメインストリートには高層ビルがひしめいて高級ブランドのお店が並んでいますが、どう見ても客入りからして採算が取れそうにないのです。
いつ見てもお客のいないお店が多かったです。
あんな地価の高い場所ですから、アンテナショップとしても割に合わないんじゃないかしら?
ファストフードのレストランばかりが客であふれていました。
表参道ヒルズという名の目立つビルがあるのですが、そこも人は少なめでした。
うろついてるだけの人が多い。
でも、造りは面白くて、細長い三角のビルをだらだら上る通路がらせん状に中央の吹き抜けを取り巻いています。
有名な建築家の作らしいです。
表通りはおしゃれなだけでお金の落ちる場所ではないように見えましたが、でも、一歩裏へ入ると面白いお店が多かったです。
お値段もぐんと安くなります。
一皿290円の餃子屋さんとか、300円均一の小物屋さんなどもあり、若い客でにぎわっています。
狭い道を車が入り込んでくるので、歩くのには気をつけなくてはなりませんが。
私は昔の銭湯の建物をうまく改装したトンカツ屋さんが気に入りました。
名前が「まい泉」と書いて「マイセン」と読むのが何となくおかしい。
黒光りする立派な梁や柱がそのまま残っていて、高い天井に古めかしいファンが回っています。
こういう風に、表の顔と裏の顔が極端に違う街は、かえって人間のエネルギーを感じてしまいます。

10月最後の週末は、魔女やカボチャお化けに扮した人がたくさんいてびっくりしましたが、ハロウィンの仮装の催しだったみたい。
子供たちもたくさんいて、 楽しそうになりきっていました。
その日は歩道を歩くのも大変なくらいの人ごみでした。

と、まぁ、大阪人の目で見た東京の一角でした。